片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「人妻」その言葉の響きにエロさを感じた。

「その星苑ってヤツにお前…偽装結婚だって話したのか?」

「あ・・・まぁね」

「俺と離婚しても…お前はセレブの暮らしが出来そうだな」

「え、あ・・・そうね」

夏芽は素っ気なく返して考え込む。

その横顔は何処か苦しげで悩ましくも見えた。


俺だってお前の何十倍いや何百倍も苦しいんだーー・・・


「真紅の薔薇の花言葉はお前を愛してるだ。星苑さんに愛されてお前もオンナ冥利に尽きるな」


「別にそんなんじゃあ」


「俺は先に寝るよ。おやすみ」


俺はリビングを出て奥の自分の部屋に篭った。


夏芽はゲストルームで就寝。


俺達夫婦は寝室が別だった。
敦司様に二人の時間を楽しめと言われても、俺は二人で暮らすコトに重荷を感じていた。




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