片恋シンデレラ～愛のない結婚は蜜の味～

「そのゴールデンレトリバーの散歩は大変でしょ？」


小陽さんを押し倒したら、すっぽりと包んでしまいそうな大きさ。

「大変だけど・・・一匹だけお留守番させるのは可哀想だから」

「副社長は散歩に連れて行ってくれないんですか？」

「休日ならともかく平日は無理だわ」

「副社長は海外出張もあるし、激務な人ですからね」


「！！？ダニエル！？」

「そのデカいのはダニエルって言うんですか・・・」
ダニエルは立ち話している俺達を待ちきれないのか一人で歩こうとリード引っ張る。

「はい」


「そっちの小さい二匹は？」


「あ・・・ショコラとあずきです」


「ダニエル！？待って！！」


ダニエルの力にとうとう負けて、小陽さんが前のめりに扱けそうになったので、俺がダニエルのリードを掴んだ。


「ありがとうございます」


「俺、散歩手伝います」


俺はダニエルのリードを持ち、小陽さんの散歩を手伝った。