片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
硝子製のローテーブルに缶ビールと栗原さんお手製の簡単な料理が並ぶ。
「愛のない新婚生活はどう?」
「愛のないは余計です。一応、私には愛が在りますから」
「そうだったな。久保川いや夏芽さんは緑川のコトがスキだったな」
「な、夏芽さんって…栗原さんに名前を呼ばれると何だか変な気分になります」
「じゃ緑川夫人でいい?」
「それも…久保川でいいです」
「折角結婚したんだ。どうせ1年後には離婚。それまで、十二分に結婚生活を楽しめよ」
私は冬也のせいで仕事を退職させられそうだし。
一緒に住んでいても、結婚生活を楽しめる感じじゃない。
「無理よ」
「無理か・・・余計に想いを募らせたって感じか?」
栗原さんは心配そうに私を見つめ、缶ビールを飲む。
彼は心理描写を得意とする作家さん。
彼には私の見えなかった今の状況が最初から見えていたかもしれない。
「栗原さんにはこうなるって、最初から分かってたんだ」
「分かってた。止めとけって言って欲しかった?」
「ううん」
「久保川は5年越しに想っていた緑川と結婚したかった。そうだろ?」
「私は社内と同じようにお互いにけん制し合いながらも、和気藹々と楽しく暮らせると思っていた」
「俺はそんな風に思わなかった」
「栗原さん…」
「愛のない新婚生活はどう?」
「愛のないは余計です。一応、私には愛が在りますから」
「そうだったな。久保川いや夏芽さんは緑川のコトがスキだったな」
「な、夏芽さんって…栗原さんに名前を呼ばれると何だか変な気分になります」
「じゃ緑川夫人でいい?」
「それも…久保川でいいです」
「折角結婚したんだ。どうせ1年後には離婚。それまで、十二分に結婚生活を楽しめよ」
私は冬也のせいで仕事を退職させられそうだし。
一緒に住んでいても、結婚生活を楽しめる感じじゃない。
「無理よ」
「無理か・・・余計に想いを募らせたって感じか?」
栗原さんは心配そうに私を見つめ、缶ビールを飲む。
彼は心理描写を得意とする作家さん。
彼には私の見えなかった今の状況が最初から見えていたかもしれない。
「栗原さんにはこうなるって、最初から分かってたんだ」
「分かってた。止めとけって言って欲しかった?」
「ううん」
「久保川は5年越しに想っていた緑川と結婚したかった。そうだろ?」
「私は社内と同じようにお互いにけん制し合いながらも、和気藹々と楽しく暮らせると思っていた」
「俺はそんな風に思わなかった」
「栗原さん…」