片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「元は龍と虎の二人が結婚なんて・・・面白い組み合わせだな」
栗原柾貴(クリハラマサキ)さんが給湯室から出て来て私達を見つめクスクス笑う。

私と緑川さんがライバルだったのは1年目の話で、2年目では大きく差が出来て、そのまま彼だけが出世してしまった。



栗原さんも同期で奈那子と共に社長秘書を務めてる。

「柾貴お前はいつ結婚するんだ?」

「俺はまだまだ結婚する気はないよ。冬也」
栗原さんは主任と話をしながらそっとコーヒーカップを置いて行く。

堅実な栗原さんの方が二人よりも結婚早そうな気がしたけど。
彼はまだまだ独身生活を謳歌する様子。


「冬也、キチンと結婚するまで女性関係は清算はしておけよ」

「俺だけに言うな。久保川にも言ってやれ。柾貴」

「久保川お前もな・・・」

栗原さんは意味深な笑いを浮かべて私の前にコーヒーカップを置いた。

「栗原さんに言われなくても判っています」

「で、日程はいつだ?」

「具体的には決まっていないが…結婚式はする」

「そうか・・・」

「結婚式するの?」

「婆ちゃんがお前の花嫁姿見たいんだろ?」

「それはまぁそうですけど・・・」


結婚式なんて挙げちゃったら離婚しにくくない?
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