片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「そうか・・・姉ちゃん結婚したのか・・・じゃ今度姉ちゃんの夫の緑川冬也に会わせてよ」

「いいけど」

「俺少し先客のテーブルに戻るわ。まぁ、ゆっくりしててまた顔出すから・・・」

颯は素っ気なく出て行ってしまった。最初は再会して盛り上がっていたのに、颯は私の結婚を訊いた途端、態度を変えた。

「アイツ、夏芽さんの結婚を喜んでいないな。もしかしてシスコン?」

「そんなワケありません」

「夏芽さん、弟にはちゃんと釘を刺しておいてくれ」

「小陽さんに近づかないように、姉として言い聞かせておきます」

「ドンペリ飲む?」

拓真さんが私のグラスにドンペリを継ぎ足した。


「ありがとうございます。頂きます」


「弟は幾つなの?」


「私よりも2歳下だから28歳かな?」


「ふうん。28歳か・・・」

拓真さんは少しだけネクタイを緩め、ソファに背中を預けてリラックスしたムードでドンペリを煽った。




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