片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
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仕事の話も交え、30分程滞在してオフィスに戻った。
「何か変わったコトなかった?」
後輩の森永さんに確認していると急いだ様子で栗原さんがフロアに現れた。
「久保川さん、ちょっと」
私は廊下に出て栗原さんの用件を訊いた。
「忙しいのに呼び出して済まない・・・」
「栗原さんこそ…午後から外出でしょ?」
「これお前のハンカチだろ?」
栗原さんは社長室のテーブルに置き忘れたハンカチをわざわざ持って来てくれた。
「いつでもいいのに・・・」
「冬也と結婚すると言うコトは両想いになったのか?」
栗原さんは少しカラダを屈め、耳許で囁く。
「あ・・・まぁそうだけど・・・」
「良かったな。これで嘘を重ねなくて済むわけだ」
栗原さんは私が処女で冬也さんに片恋だと知っていた。
「お幸せに・・・」
「ありがとう・・・」
「俺は社長室に戻るよ」
栗原さんは短く手を振って踵を返す。
仕事の話も交え、30分程滞在してオフィスに戻った。
「何か変わったコトなかった?」
後輩の森永さんに確認していると急いだ様子で栗原さんがフロアに現れた。
「久保川さん、ちょっと」
私は廊下に出て栗原さんの用件を訊いた。
「忙しいのに呼び出して済まない・・・」
「栗原さんこそ…午後から外出でしょ?」
「これお前のハンカチだろ?」
栗原さんは社長室のテーブルに置き忘れたハンカチをわざわざ持って来てくれた。
「いつでもいいのに・・・」
「冬也と結婚すると言うコトは両想いになったのか?」
栗原さんは少しカラダを屈め、耳許で囁く。
「あ・・・まぁそうだけど・・・」
「良かったな。これで嘘を重ねなくて済むわけだ」
栗原さんは私が処女で冬也さんに片恋だと知っていた。
「お幸せに・・・」
「ありがとう・・・」
「俺は社長室に戻るよ」
栗原さんは短く手を振って踵を返す。