片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
部屋に戻ると夏芽がキッチンに立っていた。


「夏芽」

「私、今日会社休むから」

「具合悪いのか?」

「そうじゃないけど、やる気が出なくて」


「そうか。俺は先にシャワー浴びる」

夏芽の仕事に対する意欲まで奪ってしまったようだな。
俺は自分を責めながらバスルームに入って、シャワーの熱い湯を頭から浴びる。


バスルームから出るとダイニングテーブルには俺の朝食が用意されていた。


「昨日、10年振りに弟に会ったの」


「そう言えば、お前には弟が居たな・・・」


俺はトーストにバターを塗りながら返した。


「実は私の弟…歌舞伎町でホストをしているの」


「ホ、ホスト??」


「その店のNO1らしいわ」

「すげぇなぁ」

「名前は颯。冬也に会いたいって言ってたから…紹介してもいい?」

「いいぜ。お前の家族だろ?」


「ありがとう」






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