片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
冬也side~
俺が執務室から出て来ると柾貴と夏芽が廊下に出て行く後姿が視界に入った。
社長室から滅多に出て来ない柾貴。
夏芽を呼び出してどう言うつもりだ?
俺は二人の後を追い、出入り口で様子を伺う。
柾貴が夏芽の耳許で何かを囁く。
夏芽ははにかんだように笑った。
―――――もしかしてアイツらって・・・
ざわめく心臓を抑え、最後まで二人を見守った。
踵を返し、夏芽が俺の居る出入り口へと戻って来た。
「何してるんですか?主任」
「お前こそ…柾貴と何を話してた?」
「栗原さんは私の忘れたハンカチを届けに来ただけですよ」
「ハンカチ?」
夏芽が俺にハンカチを見せる。
「でも…親しげにその…柾貴のヤツ…お前の耳許で何か言っただろ?」
「主任はいつからそこに居るんですか?」
「柾貴とお前がフロアを出て行く姿が見えたんだよ。大体柾貴は社長室から滅多に出て来ないし」
俺は何だか墓穴を掘っている気がし、言葉を畳み掛けた。
「何もないならいい…お前も仕事に戻れ」
「変なの」
夏芽は首を傾げてオフィスの中に消えていった。
社長室から滅多に出て来ない柾貴。
夏芽を呼び出してどう言うつもりだ?
俺は二人の後を追い、出入り口で様子を伺う。
柾貴が夏芽の耳許で何かを囁く。
夏芽ははにかんだように笑った。
―――――もしかしてアイツらって・・・
ざわめく心臓を抑え、最後まで二人を見守った。
踵を返し、夏芽が俺の居る出入り口へと戻って来た。
「何してるんですか?主任」
「お前こそ…柾貴と何を話してた?」
「栗原さんは私の忘れたハンカチを届けに来ただけですよ」
「ハンカチ?」
夏芽が俺にハンカチを見せる。
「でも…親しげにその…柾貴のヤツ…お前の耳許で何か言っただろ?」
「主任はいつからそこに居るんですか?」
「柾貴とお前がフロアを出て行く姿が見えたんだよ。大体柾貴は社長室から滅多に出て来ないし」
俺は何だか墓穴を掘っている気がし、言葉を畳み掛けた。
「何もないならいい…お前も仕事に戻れ」
「変なの」
夏芽は首を傾げてオフィスの中に消えていった。