片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
弁護士で人間じゃないって星苑って何者なんだ?

スマホで検索しても出て来ないだろう。


「お~い。緑川」

フロアに戻ろうとしていた俺を柾貴が呼び止める。

「社長がお呼びだ!」

「分かった」


俺は柾貴の後に付いて行き、エレベーターホールに向かった。


「柾貴、星苑って言う弁護士知ってるか?」

柾貴ならその手の世界は詳しそうだから訊いてみた。


「星苑弁護士がどうしたって?」

「夏芽のヤツ、ソイツにプロポーズされてると言うか・・・」

「冬也が居るのに、他の男にプロポーズされてるのか?」


「そうなんだ・・・」

「ふうん」

柾貴は半分笑いながら俺の話に耳を傾け、真剣に取り合ってくれなかった。

「笑うなよ。俺は真剣に悩んでいるんだ。その星苑のせいで、俺達は上手くいかないと言うか。元々、夏芽は男たらしだし、それを承知で結婚した俺も悪いんだけど」


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