片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「小陽さんに訊けば、人間じゃないって言うし」

「そうだな。アイツは二次元の人間だからな」

「星苑は宇宙人か?」

「あのなぁー。冬也、二次元世界を知らないのか?」


「知らない」


「じゃ今から・・・星苑さんに会わせてやるよ」


柾貴はエレベーターに乗り込んで、上着のポケットからスマホを取り出した。


「何だ・・・星苑はスマホで検索出来るのか。やっぱり御曹司だから、弁護士事務所も大手なんだな」


最上階の幹部フロアに到着し、二人で金属の箱から出た。


「で、どんなヤツなんだ?」


「コイツが星苑さん」


「・・・・・・・・」


俺の沈黙は長く続いた。


「これってゲーム・・・だよな」

「そうだ。ゲームだ」


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