片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「俺、夏芽にどんな顔して会えばいい?柾貴」


「そんなコト訊かれても・・・冬也のありのままのキモチを伝えればいいじゃん」


「ありのままか・・・」


「それよりも稜真の所に行くぞ」

「そうだな」


夏芽のコトで頭が一杯になって、本来の目的が頭から抜けていた。


「失礼します。緑川を連れて来ました」


「お~っ冬也」


親しげに呼ぶ稜真。
フレンドリーな所は拓真さんとそっくり。


「何の用だ?稜真」


俺も敬語は使わず、タメで話をする。


俺と稜真がソファに座ると柾貴が給湯室に引っ込んだ。


「奥さん、おめでただって?」


「違う。誤解だ。今日が用事があって休んでいるだけだ」


ちょっと休んだだけで、おめでたと誤解されるなんていい迷惑。


「なんだ・・・そうなのか。それは残念だな」


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