片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
テーブルに置いてた稜真のスマホがピカピカ光って振動した。

「誰だ?」

稜真は徐に取り出し、ディスプレイを見た。


「父さん?もしもし、どうしたの?父さん」

相手は濱部社長。


「飲めよ」
と柾貴が俺のコーヒーを出してくれた。


「サンキュー」


「兄貴が早退?…分かった俺の方からも連絡してみるよ」


稜真はそう言って電話を切って、スマホをテーブルに置いた。


「拓真さんがどうしたって?」


「父さんに仕事のミスを責められて、気分が悪いと早退したんだと。兄貴が仕事でミスするなんて・・・珍しいコトもあるんだな。父さん、兄貴の急な早退を気にして俺に電話を掛けて来たようだ。しかし、マジで具合が悪いのかな?兄貴。俺も心配だな・・・」


俺と柾貴は顔を合わせた。


「小陽さんは拓真さんの早退知ってるのかな?」


俺は気になり、小陽さんにメールを送信した。


「冬也、いつから小陽さんと仲いいの?」


「同じタワマンだし、会うコト多いから・・・」

「ふうん。兄貴、嫉妬深いから気を付けなよ」

稜真が興味深々に俺を見ながら、忠告してくれた。



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