片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
二人は私を置いて立ち去ってしまった。
小陽さんは不妊治療を諦めるつもりだろう。
まだ見ぬ我が子よりも、目の前に居る夫の拓真さんの方が大切なんだ。
**********
「粗茶ですが、どうぞ」
「気を遣わせてすまない」
冬也は伊集院様を連れて帰宅した。
「拓真君の様子が変だと濱部社長から電話を貰って、ここに来たんだが、部屋には入れて貰えなくて」
「そこに居合わせた俺が敦司様を連れて来たんだ。夏芽」
「事情は分かりました」
「冬也君、拓真君から何か訊いていないのか?」
「訊かれても・・・」
伊集院様は何もご存知ない様子だけど、赤の他人の私達が話していいコトなのか迷う。
小陽さんは不妊治療を諦めるつもりだろう。
まだ見ぬ我が子よりも、目の前に居る夫の拓真さんの方が大切なんだ。
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「粗茶ですが、どうぞ」
「気を遣わせてすまない」
冬也は伊集院様を連れて帰宅した。
「拓真君の様子が変だと濱部社長から電話を貰って、ここに来たんだが、部屋には入れて貰えなくて」
「そこに居合わせた俺が敦司様を連れて来たんだ。夏芽」
「事情は分かりました」
「冬也君、拓真君から何か訊いていないのか?」
「訊かれても・・・」
伊集院様は何もご存知ない様子だけど、赤の他人の私達が話していいコトなのか迷う。