片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
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「拓真君も居たのか・・・」


「お義父さん・・・」


私達6人で応接ソファを囲んだ。


「冬也君から全部訊いたから・・・何も言わなくてもいい。
私は二人が幸せであれば、他は何も要らない」


「でも、俺は辛いです。
男として情けないんです・・・」


「拓真君・・・」


「すいません・・・」
拓真さんは嗚咽を交じらせて義父の伊集院様に頭を下げた。


「お父様、私達・・・日本を出ようと思います」


「会社は辞めるのか?」

「拓真さんは辞めるつもりでいます」


「そこまで追い詰められていたのか・・・しかし、父親である濱部社長が納得すまい」


拓真さんは稜真さんよりも期待を寄せられている人。

「でも、このままだと拓真さんは潰れてしまいます」

「ウチには長男が居るが、アイツは独身主義のようだ。老後、頼れるのは小陽しか居ない。その小陽に海外に行かれては私と妻が困る。この私が濱部社長に話を付けよう」

「ありがとう。お父様」


「それでいいか?拓真君」


拓真さんは瞳の涙を堪え、首を縦に振った。



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