片恋シンデレラ～愛のない結婚は蜜の味～
「星苑兵馬。お前の言う星苑さんはゲーム上のキャラクター。お前は嘘まで付いて、俺と張り合いたかったのか？
おかげで俺は５年間もお前に片思いだ。お前が素直に俺のコトスキだって言っていれば、こんなコトにはならなかった」


「５年間片思いって・・・？」

「その言葉通り。俺はずっとお前がスキなんだよ。だから、偽装結婚の相手に選んだ。
嫌いなオンナにそんなコト頼むワケねぇだろ？」

「でも、冬也には・・・」


「結婚する前に他のオンナとは縁を切った。今はお前一人だよ。夏芽」


冬也の方が白旗を挙げたのだった。

私は画面の中の星苑さんと見て、冬也を見た。


意地悪な顔つきが気に入らないけど、瞳は甘さと情熱を滲ませて熱っぽく、私に対する想いで溢れていた。


「わ、私も…ずっと冬也のコトがスキで・・・」

「じゃ両想いだな。偽装結婚はナシ。ホンモノの夫婦になろうぜ。夏芽」


「でも、私…実は・・・」

「柾貴から訊いてる。お前、交際歴ナシの処女だって・・・」


冬也が、白旗を挙げたのはほんの一瞬ですぐさま元の高慢な態度に戻った。
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