片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「彰成様はずっと小陽さんを狙っていたらしいから・・・」

「狙っていたって何?」

「妻にしたかったんだよ。でも、小陽さんは拓真さんと結婚した」

「彰成様の素行が悪かったのも、小陽さんと拓真さんが結婚した後みたいだし」

「小陽さんってやっぱりモテるんだ」

「あれだけの美人だ。殆ど男が手に入れたいと思うよ」

「もしかして、冬也も含まれている?」


「はぁ?それは・・・まぁー」


冬也は返事に詰まった。


同性の私でもいい女だと思うけど・・・


「私も小陽さんのコト、いい女だと思う」

「お前、同性に興味あるのか?」

「別に・・・憧れと言うか・・・私もあんな風になりたいと思う」

「お前が小陽さんになる。それは無理だな」

「無理って・・・なれるかもしれないじゃない」

「お前は本当に負けず嫌いだな」

「私だって冬也にいいオンナだと思われたいのよ」

「小陽さんよりもいいオンナだと思ってるよ。夏芽」
冬也の瞳が急に甘く煌めく。

そして、そのまま私にキスを落とした。くだらない私の嫉妬の芽はあっさりと摘み取られた。
< 213 / 359 >

この作品をシェア

pagetop