片恋シンデレラ～愛のない結婚は蜜の味～

「お義父さんと共に来賓者の接待をしていたんだけど・・・来賓者の関心は今日の華道展よりも子供のコトに話が逸れちゃって・・・居たたまれなくなって此処に来たんだ」


拓真さんは落ち込んだ様子でソファに腰を下ろした。

「お茶飲みますか？」

「ありがとう。夏芽さん」

「皆、悪意ないんだよな」

「お義父さんは孫は要らないと言うけど、小陽はそうじゃない。今だって小陽は俺の子供が欲しいと思っている。
一縷の望みがあるなら、不妊治療を続けると言い張っているんだ。
俺にすれば、プレッシャーでしかない」


「拓真さんは子供を諦めるんですか？」


「・・・親父にも全部話したし、正直不妊治療は止めたい」


自身に原因があるから正直逃げたいのかもしれない。


「彰成様と結婚していれば、小陽は自然に子供を授かって、ママになって二人位子供居たかもな。俺と結婚したばかりに小陽は・・・」


「小陽さんは彰成様の子供を産みたいワケじゃないですよ。拓真さんの子供が産みたいんですよ」