片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「私,奈都也さんのフラワーアーティストとしての腕は尊敬している。
でも、私・・・貴方を冬也の妻としては認められない」
香苗さんは布巾で拭いていた湯呑みをワザと床に落とした。
「か、香苗さん!?」
控室に置かれている湯呑みは伊集院家から借りた九谷焼の湯呑みセット。
一つ一つの湯呑みには金箔と繊細な色絵の模様が施され、非常に高価な物。
「ゴメンなさい。手が滑ったみたい」
香苗さんはワザとらしい演技をして、平謝り。
私はその場に蹲り、湯呑みの破片を拾った。
「このお湯呑みは伊集院様からお借りした大切なお湯呑みなのよ」
「私が故意に落として割ったと言うの?」
棘のある物言いが癪に障る。
「私は別に・・・」
「母親も母親なら、娘も娘ね・・・奈都也さんと結婚できなかったからって、娘の貴方が冬也と結婚しなくてもいいじゃない?」
「私は結婚するまで、奈都也さんと母の関係を知らなかったわ。それにもう過ぎた過去。
奈都也さんには愛さんが居ます」
「それもそうね・・・愛さんは名家の神宮寺家の令嬢。貴方の母親とは月とすっぽん」
でも、私・・・貴方を冬也の妻としては認められない」
香苗さんは布巾で拭いていた湯呑みをワザと床に落とした。
「か、香苗さん!?」
控室に置かれている湯呑みは伊集院家から借りた九谷焼の湯呑みセット。
一つ一つの湯呑みには金箔と繊細な色絵の模様が施され、非常に高価な物。
「ゴメンなさい。手が滑ったみたい」
香苗さんはワザとらしい演技をして、平謝り。
私はその場に蹲り、湯呑みの破片を拾った。
「このお湯呑みは伊集院様からお借りした大切なお湯呑みなのよ」
「私が故意に落として割ったと言うの?」
棘のある物言いが癪に障る。
「私は別に・・・」
「母親も母親なら、娘も娘ね・・・奈都也さんと結婚できなかったからって、娘の貴方が冬也と結婚しなくてもいいじゃない?」
「私は結婚するまで、奈都也さんと母の関係を知らなかったわ。それにもう過ぎた過去。
奈都也さんには愛さんが居ます」
「それもそうね・・・愛さんは名家の神宮寺家の令嬢。貴方の母親とは月とすっぽん」