片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
さあ~どうしようか?

素直に伊集院様に謝るしかないわね。


控室に戻ると声を押し殺し、肩を揺らし笑う彰成様の姿が。



「彰成様!?」


「香苗に宣戦布告されたのか・・・」


「貴方・・・いつから??」


「俺はソファに置き忘れたスマホを取りに来ただけだ。でも、面白い話が訊けて良かったよ。
香苗のコトは知っている。俺が昔、フランスに留学した時、いろいろと世話を焼いてくれたからな。香苗の家は緑川家とは代々所縁がある。香苗の母親と奈都也さんには縁談話が出ていたが、冬也の母親のせいで立ち消えてしまった」

「・・・」



私はテーブルに割れた湯呑みの破片を置いた。


「右の指から血が出てるぞ」


「破片で切ったのよ」


私はグーにして指の傷を隠した。


「見せてみろよ」


「大したコトないわよ」


「いいから、見せてみろ」


彰成様は強引に私の右手首を掴んだ。







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