片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
招待客の受付は無事に終えたが、吐息をつく暇はなかった。


「随分とお疲れのようですね。夏芽さん」


「いえ、大丈夫ですよ。小陽さん」


私は小陽さんと共に冬也達の作品を巡視した。


どの作品も深まる秋の花材で彩られている。


「どれも素敵ですね・・・」


「そうね・・・」


小陽さんは懸命に他人の作品を吟味しながら、スマホで撮影し、記録していた。

私も小陽さんを真似して、スマホで撮影する。


「他人の作品を撮ってセンスを磨くつもりか?随分と熱心だな。夏芽」


「冬也・・・?」

冬也は感心したように私に話しかけて来た。


「私の所に来ていいの?」


「接待は終わったから・・・それよりも俺の作品を見てくれ」

「冬也の作品??」

「ああ」


冬也は私の手を引き、自身の作品に案内する。


「!?」


全国の選り選りの方々の作品をすっ飛ばしていく。





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