片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
私は小陽さんの指示で仕事をこなす毎日。


色々と刺激の多かった広報企画課の仕事とは大違いで、地味で単調な事務処理ばかりで、私には合わないかもしれない。

「彰成様、アポなしの面会は困ります」

一旦、京都に戻った彰成様が仕事で上京。
伊集院様不在時に無断で現れ、小陽さんは困惑していた。


「・・・仕事には慣れたのか?夏芽さん」


彰成様は小陽さんを無視して、デスクで仕事をする私に話しかける。

「冬也には香苗が付いているようだな。お前ら上手くやってんのか??」


「彰成様に心配される覚えはありません」


「冬也から何も訊いてないのか?」


「何をですか??」


「香苗の母親は副理事長の一人だぞ」


「えっ?」


「何も知らずにここで働いているのか?」


彰成様は目を丸くして私を見た。


「冬也の次期家元継承を反対する輩が居るコトも知らないのか?」


「!?」

「彰成様!?」

小陽さんが彰成様を窘める。


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