片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
ACT26♥花に込められた思い
冬也side~
毎年恒例の正月の生け始めで俺は家元に継ぐ。
その準備は着々と進行していたが、爺ちゃんは噂を耳にして延期を決めた。
「お父さん、冬也君の家元継承を延期しても・・・私達には説得出来ませんよ」
香苗の母親を筆頭にした反対派の結束は固い。美華叔母様でも反対派の牙城は崩せない。
敦司様の意見も流派が違うと言い、受け付けなかった。
「困ったもんだな・・・」
「冬也君、どうしても家元に継ぎたいなら、夏芽さんと離婚するしかないわ」
「俺と夏芽が離婚!!?冗談言わないで下さい。美華叔母様」
「そうよ。美華」
お婆ちゃんも俺の味方となった。
「それしか方法ないでしょ?そもそも、奈都也の不倫相手の娘だから・・・反対してんのよ。夏芽さんと離婚すれば、皆、冬也君の家元継承を反対しないわよ」
「夏芽と離婚するぐらいなら、家元にはならない!!」
俺は怒って部屋を飛び出した。