片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
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「今年も後3週間ね・・・」

俺の家元継承が延期になったコトを夏芽に伝えなければ。


俺はドレッサーに向かって美容液を顔に塗る夏芽に話しかけた。

「夏芽」

「私のスマホに美華さんから電話ありましたよ。冬也の居所を知らないかと」

「え、あ・・・そっか・・・」


「冬也の家元継承、延期になったようね」


「美華叔母様から訊いたのか・・・」

「冬也が私に心配掛けさせまいとするとキモチは嬉しいけど・・・」


「美華叔母様、他に何か言っていたか?」


「離婚しなければ、冬也の家元継承は無理かもしれないと言われました」


「俺、夏芽と離婚する位なら、家元は継がない」


「冬也!?」

夏芽は振り返り、俺を見つめる。

その瞳はフクザツな色を宿していた。

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