片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「父さんが緑川家を出たのは俺が生後10ヵ月のコト。父さんと爺ちゃんの間に何があったのかは知らない。でも、俺が絡んでいるのは明らかだ」
冬也の声が切なげに響くが、当の本人はしんみりとしたムードをかき消そうとワザと明るく振る舞った。
「このカルボナーラ美味しいぞ。夏芽お前も食えっ」
「あ、うん」
私は取り皿にカルボナーラを乗せた。
日本のカルボナーラは生クリームを使用されているが、イタリアの本場のカルボーラはパンチェッタとパルメザンチーズとシンプルな味つけ。
でも、塩気の強いパンチェッタとチーズの絡んだ味は濃厚でワインも進んだ。
オーダーしたトマト丸ごとを使ったカプレーゼとマルゲリータも来てテーブルはご馳走で埋め尽くされた。
「このマルゲリータも美味い」
冬也はマルゲリータを一口齧った。
「そう言えば、お前と二人で飯を食うのは初めてだな」
「そうね・・・」
私と冬也の周りにはいつも同期や同僚が居た。
改めてそう言われる背筋に緊張感が走った。
冬也の声が切なげに響くが、当の本人はしんみりとしたムードをかき消そうとワザと明るく振る舞った。
「このカルボナーラ美味しいぞ。夏芽お前も食えっ」
「あ、うん」
私は取り皿にカルボナーラを乗せた。
日本のカルボナーラは生クリームを使用されているが、イタリアの本場のカルボーラはパンチェッタとパルメザンチーズとシンプルな味つけ。
でも、塩気の強いパンチェッタとチーズの絡んだ味は濃厚でワインも進んだ。
オーダーしたトマト丸ごとを使ったカプレーゼとマルゲリータも来てテーブルはご馳走で埋め尽くされた。
「このマルゲリータも美味い」
冬也はマルゲリータを一口齧った。
「そう言えば、お前と二人で飯を食うのは初めてだな」
「そうね・・・」
私と冬也の周りにはいつも同期や同僚が居た。
改めてそう言われる背筋に緊張感が走った。