片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
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多忙な冬也には華道のレッスンが受けられず、マンション内のカルチャーセンター『氷見流緑川派』のレッスンに今月から通っていた。
「ゴメンなさいね。小陽さん。何だか一人じゃ緊張しちゃって・・・」
「いいのよ。私も榎並講師に用があったから・・・」
センターの部屋に入ると一斉に皆が私達に注目した。
「笹沼様?」
「あら、小陽様・・・」
榎並講師よりも若干年上の女性が私達に近づく。
「榎並講師は?」
「榎並さんは身内に不幸があってお休みよ。この私が代行で娘の香苗を伴い、指導に来ました」
私は香苗さんと目を合わせた。
「初めましてかしら?緑川夫人」
「夫の冬也から話は訊いております」
「冬也君は今日、敦司様とご一緒よ」
「そうですか・・・」
返す言葉を慎重に選んだ。
多忙な冬也には華道のレッスンが受けられず、マンション内のカルチャーセンター『氷見流緑川派』のレッスンに今月から通っていた。
「ゴメンなさいね。小陽さん。何だか一人じゃ緊張しちゃって・・・」
「いいのよ。私も榎並講師に用があったから・・・」
センターの部屋に入ると一斉に皆が私達に注目した。
「笹沼様?」
「あら、小陽様・・・」
榎並講師よりも若干年上の女性が私達に近づく。
「榎並講師は?」
「榎並さんは身内に不幸があってお休みよ。この私が代行で娘の香苗を伴い、指導に来ました」
私は香苗さんと目を合わせた。
「初めましてかしら?緑川夫人」
「夫の冬也から話は訊いております」
「冬也君は今日、敦司様とご一緒よ」
「そうですか・・・」
返す言葉を慎重に選んだ。