片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
クリスマスも近く、花材もクリスマスにちなんだ花々がチェイスされていた。


「これが貴方の花材よ。夏芽さん」

香苗さんが私に花材を渡す。


私は包みの中の花材を確かめた。


「黄色の薔薇って珍しいですね・・・」


隣に居た小陽さんが眉間にシワを寄せて黄色の薔薇を見る。


「黄色の薔薇の花言葉はご存知かしら?夏芽さん」

「いえ」


「クリスマスの花材としては不謹慎です。今すぐに取り換えて下さい」


小陽さんにしては声を荒立てて、私から花材を奪い、香苗に突き返した。


「小陽様?どうしました?」


笹沼様が慌てた様子で取り成す。


「帰りましょう・・・夏芽さん」

「えっ!?で、でも・・・」


「いいから・・・」

小陽さんは私の腕を引っ張って強引に部屋から出た。


「こ、小陽さん?」
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