片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~

冬也side~

締めは夏芽がティラミス、俺がエスプレッソ。
ティラミスを口に運ぶ夏芽の表情は至福に満ちていた。

「女って甘い物スキだな」

「あっ!?」
夏芽が突然大きな声を上げる。

「どうした?」
「今何時?」

「20時半」

「ヤバい…始まってる」

「何が??」

「ちょっとお手洗い行って来る」

夏芽が慌ててティラミスを全部平らげて、外にあるお手洗いに向かった。

「何がヤバいんだ…アイツ」

俺はエスプレッソを飲み干して夏芽が戻って来るのを待ったが、10分経っても戻って来ないので会計を済ませて店の外でスマホを弄りながら待つコトにした。

「しかし…アイツ遅いな。食べ過ぎで気分悪くしたのか・・・」

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