片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「そんな排他的な態度ばかり取るから…敵が増えるんですよ。彰成様」


「お二人共、喧嘩しないで。ここは冬也様の意見に従いましょう」


柊さんが二人の間を取り成して、俺に意見を求めた。


「敦司様は輩の目星は付いている仰っていましたが、誰ですか?俺に教えてください。俺がその相手と話を付けます」


「冬也君・・・」


敦司様は後ろに控える柊さんを一瞥する。


「相手はお前の家元継承を反対する輩の筆頭・笹沼さんだろ?」


「彰成様?」


「敦司様のその慌てた顔はビンゴだな」


「また、笹沼様か・・・」


「また?笹沼さんに何かされたのか?」


「俺じゃない。夏芽がやられたんだ」


黄色の薔薇の件も直接問い質していなかったが、この週刊誌の件は見過ごせない。



< 273 / 359 >

この作品をシェア

pagetop