片恋シンデレラ～愛のない結婚は蜜の味～
冬也が花に込めたキモチの言葉はどれも極上の優しさと愛で溢れている。


冬也に家元を継承して欲しい。


「うっ」


タクシーを捕まえようと通りの道にでたが、急に気分を悪くしてその場に蹲った。


「やっぱり・・・夏芽さんか・・・」


顔を上げると栗原さんが立っていた。


「大丈夫？飲み過ぎたの？」



「栗原さん、どうして？」


「仕事の帰りでタクシーに乗っていたら、君の姿が見えたんだよ」


「タクシー？」


私は顔を見上げ、道路脇に停車するタクシーを見た。


「ついでだ。乗りなよ。送るよ」


これ以上歩けそうになく、栗原さんの厚意に甘えてタクシーに同乗した。


栗原さんは助手席に、後部座席には同乗者が乗っていた。


「貴方は平沢さん？」


「久し振り。夏芽さん」

平沢さんはサービスでワザと星苑さんボイスで話しかけてくれた。
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