片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「夏芽、俺はバタバタしていたから、プレゼント用意していない」

「いいよ。別に・・・」

冬也は大理石のテーブルの上に置いていた硝子の灰皿で煙草を揉み消すとプレゼントを置いた。


「プレゼントの代わりに私を抱き締めてキスして。冬也」


「夏芽」


冬也は私の言う通り腕の中に抱き締めてくれた。

さっき吸っていた煙草と麝香の香水の匂いに包まれる。

こうして冬也に抱き締められるのも最後だ。きっと・・・


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