片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
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「私は何も訊いていないぞ。冬也」
日に日に弱る爺ちゃんの容体。でも、今日の声は凛とした響きだった。
「笹沼様がお見舞いに来られて、貴方と令嬢の香苗さんの結婚を和也さんにお話したらしいの」
婆ちゃんが俺に耳打ちしてくれた。
爺ちゃんには内緒の話だったから酷く動揺したらしい。
「夏芽さんと離婚したばかりなのに…もう再婚か?軽率だぞ。冬也」
「それは・・・『緑川派』を纏める為の苦渋の決断です。和也さん」
「纏める?」
「奈都也が家元を継ぐにしても、門下生の筆頭である笹沼様の力添えが必要です」
「冬也を人身御供にするつもりか?」
「和也さん・・・」
「マスコミを使い冬也の家元継承の邪魔をした・・・彼女の力添えは必要はない・・・」
「それでは分裂は避けられませんよ・・・」
「分裂しても良い。冬也を犠牲にして守った『緑川派』など、私は望んでいない・・・」
「二人の結婚は?」
「反対だ・・・」
爺ちゃんが俺と香苗の結婚を猛反対した。
「私は何も訊いていないぞ。冬也」
日に日に弱る爺ちゃんの容体。でも、今日の声は凛とした響きだった。
「笹沼様がお見舞いに来られて、貴方と令嬢の香苗さんの結婚を和也さんにお話したらしいの」
婆ちゃんが俺に耳打ちしてくれた。
爺ちゃんには内緒の話だったから酷く動揺したらしい。
「夏芽さんと離婚したばかりなのに…もう再婚か?軽率だぞ。冬也」
「それは・・・『緑川派』を纏める為の苦渋の決断です。和也さん」
「纏める?」
「奈都也が家元を継ぐにしても、門下生の筆頭である笹沼様の力添えが必要です」
「冬也を人身御供にするつもりか?」
「和也さん・・・」
「マスコミを使い冬也の家元継承の邪魔をした・・・彼女の力添えは必要はない・・・」
「それでは分裂は避けられませんよ・・・」
「分裂しても良い。冬也を犠牲にして守った『緑川派』など、私は望んでいない・・・」
「二人の結婚は?」
「反対だ・・・」
爺ちゃんが俺と香苗の結婚を猛反対した。