片恋シンデレラ～愛のない結婚は蜜の味～

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いつまでも社内を湧かす私と冬也の結婚。

「一夜の過ちで子供がデキたのか？久保川」

煮詰まった企画書の思案に一息入れようと思って来た休憩ルーム。

相馬部長の予想外の質問に飲んでいた缶コーヒーをもう少しで気管に詰める所だった。


「だ、大丈夫か？久保川」


「だ、誰がそんなコト言ったんですか？」


「俺じゃないぞ。社内の噂だ噂」


「一夜の過ちって何ですか？」

「知らん」
相馬部長は顔をプルプルさせて缶コーヒーを口にした。


そりゃ今まで犬猿の仲だった私達だから。
色んな憶測が飛び交うのは当たり前だけど、一夜の過ちのデキ婚は飛躍過ぎだって。


「違うのか？」

「違います」
私は声を強めて全身で否定する。


私と冬也はキス以上のコトは一切してない清い仲。

結婚したってきっとずっとこのままで進展はない。