片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「この紅い花はカンナだな」
ローチェストに置かれた花瓶の花に気づいた。
「そうよ。庭に沢山咲いてるから・・・少しだけ切って生けてみたの」
「夏芽が生けたのか?」
「まあね」
「へぇー。カンナの花か・・・俺の実家の庭にも咲いてるよ」
「夏の花だからね・・・」
「世界で初めて核爆弾が落とされた広島は、75年間は草木も生えないだろうと言われていたんだ。そんな瓦礫の焦土化したその年の秋の広島に最初に咲いた花なんだ。新しいその生命からカンナは、広島の人々に希望と生きる勇気を与えた凄い花なんだぜ。知ってたか?夏芽」
「ううん。知らなかった・・・」
「カンナの花言葉は『永遠』広島では平和の花のシンボルとして有名だ」
「私も知らなかったわ」
お母さんが私達に冷たい麦茶を淹れてくれた。
「夏芽、薬飲んだ?」
「あ、忘れてた・・・」
「薬?」
「血圧を下げる薬と言うか・・・」
「お前…高血圧なのか?」
「あ・・・」
冬也には秘密にしておいたのに、自ら墓穴を掘ってしまった。
ローチェストに置かれた花瓶の花に気づいた。
「そうよ。庭に沢山咲いてるから・・・少しだけ切って生けてみたの」
「夏芽が生けたのか?」
「まあね」
「へぇー。カンナの花か・・・俺の実家の庭にも咲いてるよ」
「夏の花だからね・・・」
「世界で初めて核爆弾が落とされた広島は、75年間は草木も生えないだろうと言われていたんだ。そんな瓦礫の焦土化したその年の秋の広島に最初に咲いた花なんだ。新しいその生命からカンナは、広島の人々に希望と生きる勇気を与えた凄い花なんだぜ。知ってたか?夏芽」
「ううん。知らなかった・・・」
「カンナの花言葉は『永遠』広島では平和の花のシンボルとして有名だ」
「私も知らなかったわ」
お母さんが私達に冷たい麦茶を淹れてくれた。
「夏芽、薬飲んだ?」
「あ、忘れてた・・・」
「薬?」
「血圧を下げる薬と言うか・・・」
「お前…高血圧なのか?」
「あ・・・」
冬也には秘密にしておいたのに、自ら墓穴を掘ってしまった。