片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
二人で2階の私の部屋に入った。


「二人の間に嘘はナシだと言ったよな」

「冬也は忙しそうだし、本当に余計な心配を・・・」

「母さんは自分の命を引き換えにして俺を産んだ。人よりも妊娠には神経質になっている。でも、俺に嘘をつくなよ」

「何?喧嘩??」

隣で昼寝をしていた颯が入って来た。

「颯、居たのか・・・」

「居たけど・・・」

「俺と夏芽の問題だから…お前は関係ない」


「・・・関係なくはない。俺が姉ちゃんと冬也さんの再婚を仲立ちしたからね。大体、冬也さんは他の女と結婚しようしたんだぞ」

「あれは・・・」

「姉ちゃんを責める権利はないと思う。それに喧嘩は良くない。負の感情は胎児の発育にマイナスだからね」


冬也は颯の言葉に従い、何も言わなくなった。


「今回はお腹の赤ちゃんに免じで許してやる。いいか?二度と嘘は付くなよ。夏芽」


「うん。ゴメンなさい。冬也」


「妊娠高血圧症候群か…怖いな・・・」

冬也は眉間にシワ寄せて悩み始める。



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