片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
LASTACT♥カンパニュラー釣鐘草

夏芽side~

入院から1ヵ月ーーー・・・


私とカンナはようやく退院に漕ぎつけた。

低体重で誕生したカンナも3500グラムにまで成長した。

「暫くは実家暮らしか・・・」

「冬也も来る?」

「あ…颯のヤツも居るからな・・・」

「冬也と颯は異母兄弟でしょ?仲良くしなさいよ」

「姉ちゃん、準備は出来た?」

颯の話をしていると病室に颯本人が入って来た。


「噂をすれば何とやらね・・・冬也」


「何?姉ちゃん」

「こっちの話よ」


「荷物はもうない?」


「うん」

私はカンナを抱き上げる。


「俺が抱っこしなくていいか?」

「大丈夫よ」

「俺、先に行ってるよ」


「うん」

颯が先に出ていく。

親子3人で病室を出た。

私は病院で31歳の誕生日を迎えた。お世話になった看護師さん達に見送られ、エントランスを潜った。

夏の暑さを含んだ風が頬を撫で、朝の眩しい陽射しがカンナの顔を照らす。





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