片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
窓のカーテンを開けると硝子越しに見える空は灰色に染まり、今にも雨が降り出しそうだった。
朝の身支度を終え、玄関を開けると脇の花壇の紫陽花が降り出した真っ直ぐな雨に濡れていた。
雨粒が紫陽花の青色をより鮮やかに際立たせる。
雨は憂鬱だけど、梅雨何だから仕方がないと傘を差し、駅までの道のりを歩いた。
最寄りの駅までは徒歩8分。
その後は満員電車に揺られ、都心のオフィス街を目指す。
雨で早く出たのが功を奏したのかフロアには誰も居ない。いつも遅刻し掛けの私が一番乗りだった。
コーヒーサーバーのコーヒーを飲もうと給湯室に足を運ぶと冬也が、バーベキュー用のガスバーナーで切り花の紫陽花の茎を炙っていた。
「冬也、何してんの??折角の紫陽花を火あぶりにする気??」
「水揚げを良くする為に火で炙ってるだけだ」
冬也は、ガスバーナーの火を止めて炙った紫陽花の茎を見つめた。
「ミョウバンも揉み込んだし、叩くのはいいか・・・」
冬也は口笛を吹かせながら銅材の花瓶に紫陽花を生け始めた。
冬也の生けている紫陽花はウチの庭の紫陽花と同じ青色だった。
「綺麗だろ?昨日実家に行った時、拝借したんだ。殺風景な社内に花があるのもいいと思わない?」
「そうね・・・」
朝の身支度を終え、玄関を開けると脇の花壇の紫陽花が降り出した真っ直ぐな雨に濡れていた。
雨粒が紫陽花の青色をより鮮やかに際立たせる。
雨は憂鬱だけど、梅雨何だから仕方がないと傘を差し、駅までの道のりを歩いた。
最寄りの駅までは徒歩8分。
その後は満員電車に揺られ、都心のオフィス街を目指す。
雨で早く出たのが功を奏したのかフロアには誰も居ない。いつも遅刻し掛けの私が一番乗りだった。
コーヒーサーバーのコーヒーを飲もうと給湯室に足を運ぶと冬也が、バーベキュー用のガスバーナーで切り花の紫陽花の茎を炙っていた。
「冬也、何してんの??折角の紫陽花を火あぶりにする気??」
「水揚げを良くする為に火で炙ってるだけだ」
冬也は、ガスバーナーの火を止めて炙った紫陽花の茎を見つめた。
「ミョウバンも揉み込んだし、叩くのはいいか・・・」
冬也は口笛を吹かせながら銅材の花瓶に紫陽花を生け始めた。
冬也の生けている紫陽花はウチの庭の紫陽花と同じ青色だった。
「綺麗だろ?昨日実家に行った時、拝借したんだ。殺風景な社内に花があるのもいいと思わない?」
「そうね・・・」