片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
お母さんはフィットネスには行かず、朝からキッチンに立ち、冬也に手料理を振舞おうと張り切って作ったようだ。
その結果が目の前の食卓を埋め尽くすお母さんの手料理。昼食にしてはかなり量が多い。
「昼間から豪勢だね。敦美。私はこんなに食べきれないわよ」
お婆ちゃんは食卓に並ぶ沢山のおかずに目を瞠った。
「お婆ちゃんが食べきれなくても、緑川さんが食べるわよね」
「えっ!?あ・・・はい」
お母さんから急に相槌を求められた冬也は返事に困りながら頷いた。
「緑川さん、召し上がれ」
「いただきます」
4人掛けのテーブルが埋まったのは久し振りだ。
――――弟の颯(ハヤテ)が出て行ってあれこれ10年の月日が経つ。
一度は父方に引き取られ、私達姉弟は離れ離れとなったが、父の再婚をきっかけに私達の元に戻って来た。
前妻の子供である颯は父が作る新しい家族には邪魔だったようだ。
その当時、颯は14歳。多感な時期に父からそんな扱いを受けた颯は人間不信になっていた。
その結果が目の前の食卓を埋め尽くすお母さんの手料理。昼食にしてはかなり量が多い。
「昼間から豪勢だね。敦美。私はこんなに食べきれないわよ」
お婆ちゃんは食卓に並ぶ沢山のおかずに目を瞠った。
「お婆ちゃんが食べきれなくても、緑川さんが食べるわよね」
「えっ!?あ・・・はい」
お母さんから急に相槌を求められた冬也は返事に困りながら頷いた。
「緑川さん、召し上がれ」
「いただきます」
4人掛けのテーブルが埋まったのは久し振りだ。
――――弟の颯(ハヤテ)が出て行ってあれこれ10年の月日が経つ。
一度は父方に引き取られ、私達姉弟は離れ離れとなったが、父の再婚をきっかけに私達の元に戻って来た。
前妻の子供である颯は父が作る新しい家族には邪魔だったようだ。
その当時、颯は14歳。多感な時期に父からそんな扱いを受けた颯は人間不信になっていた。