片恋シンデレラ～愛のない結婚は蜜の味～

今日は土曜日－－－－・・・


私にしては早めに目が覚め、リビングへと向かうとキッチンからコーヒーの香ばしい匂いがして来る。

小陽さんは白いフリルのたっぷりあしらわれたエプロンを着けて朝食を作っていた。


「おはようございます。久保川さん」

「おはようございます」

私は挨拶して軽く頭を下げた。


「よく眠れましたか？」


「あ・・・まぁ、小陽さんはいつも朝早いんですか？」


「この子達に起こされるんですよ」

ダイニングテーブルの下で餌を食べる３匹の犬達を指差した。


「この子達の散歩が毎日の日課で・・・」


小陽さんは私とお喋りしながらレタスを切り、サラダを作る。

彼女は手際よく、朝食を用意してゆく。


「ダニエル、拓真さんを起こして来て」

ダニエルに副社長を起こすように指示をした。

ダニエルは『ワン』と返事するとリビングを飛び出して行った。


「先に召し上がって下さい。久保川さん」