片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「冬也、私はお前を信じて、家元の座を譲る。家元として恥じぬ真っ当な道を歩んでくれ」
爺ちゃんは最近、心臓も悪くしている。
家元としてこの『氷見流緑川派』を守るのは限界なんだと悟った。
不倫で破門になった父さんに代わり、俺が後を継ぐ。
父さんの破門理由を訊き、納得したが、俺の介しての不倫だった事実はショックだった。
俺達は、夜の帳が降りる前に邸宅を出た。
脳梗塞で倒れ、利き腕が不自由になった爺ちゃんは人前でご飯を食べなくなってしまった。
人前で恰好悪い所を見せたくない爺ちゃんのプライドだろう。
「何だか、冬也ボーッとしてる」
「そう言うお前だって…ボーッとしてるだろ?」
「だって・・・」
「婆ちゃんに何か言われたか?」
「別に」
「俺はお前が困らないようにちゃんとフォローしてやる」
「ありがとう。冬也」
爺ちゃんは最近、心臓も悪くしている。
家元としてこの『氷見流緑川派』を守るのは限界なんだと悟った。
不倫で破門になった父さんに代わり、俺が後を継ぐ。
父さんの破門理由を訊き、納得したが、俺の介しての不倫だった事実はショックだった。
俺達は、夜の帳が降りる前に邸宅を出た。
脳梗塞で倒れ、利き腕が不自由になった爺ちゃんは人前でご飯を食べなくなってしまった。
人前で恰好悪い所を見せたくない爺ちゃんのプライドだろう。
「何だか、冬也ボーッとしてる」
「そう言うお前だって…ボーッとしてるだろ?」
「だって・・・」
「婆ちゃんに何か言われたか?」
「別に」
「俺はお前が困らないようにちゃんとフォローしてやる」
「ありがとう。冬也」