一緒にいたいから
一緒にいたいから
スケくんの様子がおかしい。

最近、ずっと無理をして笑ってる気がする。

あんなに素直に笑う子だったのに。





私達がいるのはある旅芸人の一座。

リーダーとして一座を引っ張る"父"と、その奥さんである"母"が主催する見世物で私達は仕事をして、食べさせてもらっている。

私は器用な方だったから、躍りを踊ったり、皿回しをしたり、いわゆるトリを務めさせてもらっていた。

同じ一座に身を置く"彼"は、芸は出来ないけど見目が良く、事務方の仕事が得意だったため、見世物の受付や書類仕事をしていた。

そしてそばかすの目立つ、私より年下のスケくんはその手先の器用さで、見世物を楽しむ客からカネをスる役だった。

この一座には他にも何人か子供がいて、皆何かしらの役目を果たしていた。
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