一緒にいたいから
私達の部屋に戻り、暗い部屋で、子供達が寝ている中で涙をふいていると、キクちゃんが部屋に訪れた。

キクちゃんは孤児じゃないから、自分の部屋がちゃんとある。

そのキクちゃんがこの部屋に来たということは、孤児達の誰かに用事があったんだろう。


「どうしたの、キクちゃん」

「あっお姉ちゃん…あのね、お姉ちゃんに用事があって……お姉ちゃん?どうしたの?

……泣いてるの?」


はっとした。

まずい。

キクちゃんにバレる。

スケくんはキクちゃんには言わないって言ってた。

勝手に私が言ってはいけないだろう。


「そんなことないよ、キクちゃん。

それより、私に用事ってなあに?」


私は誤魔化すという選択肢を選んだ。

キクちゃんは少し訝しげに私を見たが、すぐ用件に入った。

キクちゃんもなんだか緊張しているというか…急いでいるように見える。

だけど私も誤魔化したのだ。

キクちゃんのことも詮索しないことにした。
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