一緒にいたいから
「あのね、わたしいっつもお姉ちゃんにお世話になってるじゃない。

お仕事教えてもらったり、面倒みてもらったり。

だからね、わたしも何か、こう、感謝の気持ち、を伝えたくてね、その……、は、ハンカチ作ったの。

だから、プレゼントしたいなあって」


そう言って暗い部屋でも分かるくらいに顔を赤くしながら、キクちゃんは私にハンカチをわたす。

お花が刺繍してあって、とても可愛い。

私は頬を緩ませながらハンカチを受け取った。


「可愛いハンカチ、ありがとう」


ハンカチを誉められたキクちゃんが、嬉しそうに笑う。


すると、キクちゃんは急に寂しげな表情になった。


「本当に…いつもありがとう、お姉ちゃん」




『…うん、ありがと。お姉ちゃん』



キクちゃんの姿が、あのときのスケくんと、ぴったり重なった。
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