一緒にいたいから
次の日、スケくんとキクちゃんはもういなかった。

子供達は二人がいなくなったと朝から大騒ぎしている。

当然だ。

いつも一緒にいたスケくんと、皆の人気者のキクちゃんが急にいなくなったのだから。

父と母は、実の娘が行方不明となったことにパニックを起こしている。


私は、その中で何故か平然としている彼に近付いた。


「……気付いてたの?」

「…気付いていたもなにも、キクの家出を手助けしたのは俺だ」


驚いた。

今回のことに、彼が一枚噛んでいたなんて。


「お前も、驚いてないんだな。

…スケとキクがいなくなったこと」

「私は…昨日、二人から聞いたから」

「…そうか」


そうして彼は、今までのキクちゃんにした"手助け"について、教えてくれた。
< 13 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop