一緒にいたいから
「おい、スケ」

「はい…なんですか、父さん」



隣の父の部屋から、父とスケくんの声がした。

しかし、二人とも声が随分と冷たい。



父はずっと、私達に対しても優しさや愛情を向けてくれたことなどない。

いつもこんな感じの声だ。

聞いていて心が冷えていくように感じる声。



でも、スケくんはそうじゃなかった。

いつも皆を励ますように大きく笑った。

とても温かな笑い声だった。



でも、今部屋から漏れ聞こえてくる声に、その温かみは一切ない。

聞いたことのないようなスケくんの声に、私は戸惑った。
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