一緒にいたいから
「キクは…僕にはどうすることもできないよ。

キクにはちゃんと両親がいるんだから。

それに僕はキクを悲しませたくないんだ…ギリギリまで。

だから、キクにこのことを言うつもりも無いよ」


俯いてそこまで言った後、スケくんは私の目をのぞいた。


「…どうしてお姉ちゃんは僕が今夜いなくなること…知ってたの?

あのとき父さんとあの人達の話を聞いたのは、僕だけだったのに」


本当はスケくんも、今夜初めて知らされる筈だったんだろう。

でも、スケくんはその前に知ってしまったんだ。

そう言われてふと思い出す。

そして思い至った。



スケくんの様子がずっとおかしかったのは、その話を聞いてしまったからだったんだ。

自分がもうすぐいなくなると……みんなと、キクちゃんと会えなくなると、分かっていたからなんだ。



私はスケくんの質問に答えた。
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