一緒にいたいから
「さっき、スケくんとお父さんの話を聞いちゃって…。」

「そっか…」


私はボロボロ涙をこぼしながら、屈んでスケくんを抱き締めた。


「スケくん…行かないでよ……。

私、寂しいよ……。

それに、スケくんがいなくなったら、キクちゃん寂しくて死んじゃうよ……」


私の言葉に、スケくんはハハっと軽く笑った。

やっぱり、寂しそうに。

そして、言った。



「……キクに伝えておいて……。


……愛してるよって」



私じゃスケくんの決意はどうしたってもう動かせない。


私はもう一度ぎゅっとスケくんを抱き締めて、呟いた。


「大好きだからね…ちゃんと元気でやってね、スケくん」

「…うん、ありがと。お姉ちゃん」



そうして私は、自分達の部屋に戻ったのだった。


今まで、スケくんの部屋でもあった、私達の部屋に──



< 9 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop