〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
作っていくモノ

・だけど解んない



「ご、ち、そ、う、様」

「え」

お礼に渡した今朝のコンビニスイーツの事かな?

「昨日の事よ。あれから、...でしょ?」

「あー、まぁ、うん」

「それで?やっぱり甘いの?」

「何が?」

「もう。吉澤陽人さんよ」

「ちょっと...流石に社食でも。それにフルネームは止めて」

「ごめん、ごめん。で?」

「普通よ、普通。甘くは無いと思う」

よく解んないもん。
麻美みたいに経験豊富じゃ無いし。
...甘いのは甘いけど。

「へぇ。私はね、ギャップを感じさせたくて、わざとSキャラを演じてるんじゃないかと思ってるのよね。
だって、冷たいとか酷いとか思わせておけば、普通が普通以上に良く評価される訳でしょ?
狙ってるんだと思ってるんだけど、それを。
...違うかな」

「そんな面倒臭い事、今更する?」

「今更だからよ。前と同じじゃ、もういいかって、終わりになりやすくならない?代わり映えしないって。
まあ、一度付き合いのある人だし、安定とか安心感はあるだろうけど。
マンネリ防止、みたいな?」

あのね...、昔は高校生だよ?
前はそんな事感じる“関係”まだ無かったんだけど...。
だから、マンネリどころか...大変なんだけど。
麻美はそこまでは知らないはずだけど。

「...どうなんだろう。
知りすぎて?知らな過ぎて?
何が本当か解んないくらい」

「復活愛だもんね」

復活愛なんて...。ちょっと違うかも。

この始まりも私から言った。

我ながら思う。
よくも恥も外聞も無く言えたものだと。

やっぱり陽人がいいって解ったの、また付き合いたい、って。

返事は、嫌だ、だった。

そして、少しは考えさせてくれ、と付け加えられた。

完全にシャットアウトされた訳でもなさそうだった。

久しぶりだというのに、更にズケズケと踏み込んだ。

「どのくらい待ったらいいの?」

永遠に待ち続けるのは無理だから。
少しだという期間、お預けのまま人生が終わるかも知れないじゃない?
少しという言葉の取り方が違えば、無い事ではない。


「焦ってんのか?意外だったんだろ?
長い独り身が続くなんて、思って無かったんだろ?」

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