〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

自分の事を解っているのは誰でも無い自分。
誰にも解らない自分を、自分は知っている。

心の所在だって解っている。
どんな気持ちがどこにあるのか。どうしたいのか。
全ては自分だけが解っている。

言葉を口にした時、それが正直かそうでないかは解らない、その言葉が心だと思われてしまうから。


【帰って来ました。
何も特に話はありませんでした。ご飯を食べて普通の話をしましたよ。京】

そうか、話す事はなんだか知らなかったが、無事帰って来たのなら善しとするか。会いたいな、京に。

俺は京に堕ち過ぎだな。完全に溺れている。
思いが受け入れられた途端、骨抜きになってしまった。自分でも思う。デレデレし過ぎてるって。

【家に来ないか?京。
何なら俺が行ってもいい。どうかな?】

【実はもう向かってます】

【俺ん家に?】

【はい。もうすぐ着きますよ】

【迎えに行く】

【もう、そんな距離は無いです】

【それでも行く】

【はい。では見つけてください】

京、すぐ行くからな。

カチャ。ん?あ…。

「京ー!」

「もう見つかってしまいましたね」

「京…」

「会いたくなったので来ちゃいました。…凄く会いたかったです」

「…俺もだ」

…やられた。なんて可愛い事をしてくれるんだ。
< 131 / 175 >

この作品をシェア

pagetop