〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
自分の事を解っているのは誰でも無い自分。
誰にも解らない自分を、自分は知っている。
心の所在だって解っている。
どんな気持ちがどこにあるのか。どうしたいのか。
全ては自分だけが解っている。
言葉を口にした時、それが正直かそうでないかは解らない、その言葉が心だと思われてしまうから。
【帰って来ました。
何も特に話はありませんでした。ご飯を食べて普通の話をしましたよ。京】
そうか、話す事はなんだか知らなかったが、無事帰って来たのなら善しとするか。会いたいな、京に。
俺は京に堕ち過ぎだな。完全に溺れている。
思いが受け入れられた途端、骨抜きになってしまった。自分でも思う。デレデレし過ぎてるって。
【家に来ないか?京。
何なら俺が行ってもいい。どうかな?】
【実はもう向かってます】
【俺ん家に?】
【はい。もうすぐ着きますよ】
【迎えに行く】
【もう、そんな距離は無いです】
【それでも行く】
【はい。では見つけてください】
京、すぐ行くからな。
カチャ。ん?あ…。
「京ー!」
「もう見つかってしまいましたね」
「京…」
「会いたくなったので来ちゃいました。…凄く会いたかったです」
「…俺もだ」
…やられた。なんて可愛い事をしてくれるんだ。