〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
「まあさ、京がズルズルしたいなら、それもそれだよ。
はっきりしない付き合いが望みなら、今のままでいいんじゃない?
何も言わない。傷付かない。
いいんじゃないの?それでも」
うっ。これは麻美なりの激励だ。
知らない人が聞いたら冷たく突き放したように聞こえるかも知れないが、これが麻美の思いやりだ。
「有難う。...頑張ってみるよ」
バシバシ叩かれた。
「そうよ。そうこなくっちゃ。
ちゃんと幸せになりたいでしょ?
...悲しいかな、私達はさ、我が儘が全て可愛いと思って貰える年齢でも無くなって来てるし。
幸せの形にはこだわら無いわ。特に私は自由人だから、そう思うけど。
自分の幸せは自分で手にしないと。
あっという間にいい時は過ぎるのよ?」
「うん。...そうだね」
「京はいい女よ?魅力が一杯、あるんだから。
自分で短所だと思ってる部分、男子は好きな部分だと思うよ?
そこに自分が気付いて無いところがいいのよ」
う〜ん。褒められてるのか、やっぱり鈍いって言われてるのか、複雑な疑問は残る...。
「好きな人の前で正直でいたい、...正直でいられるなら、それが一番いいと思わない?」
「うん」
私も正直で居たい。
「...決めた」
「え」
「私、お坊ちゃま君に誓約書書いてもらう!」