〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

・康介VSアヤの憂鬱


「なぁ陽人〜」

「...なんだよ」

いつにも増して怠そうだな。

「花火見たんだって?」

げっ...コイツ、なんで知ってる。

「だったらなんだよ」

「綺麗だったか?」

うっせーなぁ。だから、なんだってんだ。
遠回しにでも、ズキッとなる事聞いて来るんじゃない。

「...綺麗だったけど?」

「ふ〜ん」

って、それだけか?!
大して興味も無い素振りで話するなんて、なんかあるな...。

「康介こそ、なんだよ」

「何が...」

それだよ。ボーッ、としちゃって、抜け殻みたいじゃないか。

「何が、じゃないよ。なんかあったのか?」

...ま、俺が言えた義理じゃ無い。俺は何かありありなんだ。

「んー、...あった」

「なんだよ、何があったんだ」

「京が、拓と入籍するみたい...」

お、おお。そんな事は俺も知ってる。
てか、なんでお前は花火といい入籍といい、知ってるんだ。
誰情報なんだ?
で、それが抜け殻の原因なのか?...おいおい。

「だったらなんだよ。俺にわざわざ言う事か?
言われなくても俺だって知ってる。
少しは気を遣え気を。
デリケートな部分がえぐられるわ。
で、なんでそんなにお前が凹んでる」

「俺さぁ、...好きだって気付いちゃって。
こんなタイミングでなんて、最悪だろ...」

おい、おい、マジか...。誰の事だ?
京か?それとも、...課長さんか?
...まさかの...俺か?
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